五感に美しい日

メニュー

今日は待ちに待った日。久しぶりに、オペラを観にいく。もちろん、今の大きな話題の来日公演ではない。新国立劇場の公演(それでも20000円はするチケットなのだから贅沢なものだ)。
演目は「カヴァレリア・ルスティカーナ」と「道化師」。特に前者の舞台を一度でいいから自分の目で見てみたかった。オペラ全曲のCDを持っていて(似たもの同士 - SUZUMEの日々Ⅱ)「舞台が観たいから」と、オペラ好きの上司からDVDを借りて観たのだけれど、やはり一度も生で見たことがないと臨場感がどうしても伝わってこない。だから、今日は本当に楽しみにしていた。
ストーリーは、男が今は他の男のものになっている昔の恋人と不倫して、そのもつれから決闘になる、という何とも陳腐な話だ。でも、その陳腐な話に素敵な楽曲がつくことで、こんなにもドラマチックで感動的なお芝居になる、というのがオペラの魅力。
そして確かに「カヴァレリア・ルスティカーナ」は感情を切々と歌い上げる音楽が素晴らしい。食い入るように舞台を見つめ、五感を研ぎ澄ませて聴き入った。
 
オペラ鑑賞の後、バスで渋谷に出て松涛の「CHEZ MATSUO」(http://www.chez-matsuo.co.jp/rest/shoto.html)へ。渋谷区松涛といえば、昔からの閑静な高級住宅街。シェ松尾はそんな高級住宅街の一角にある「松尾の家」だ。元々は大正時代に英国の建築家が建てた邸宅。外壁がアイビーで覆われていて、外観から風情が漂う。
ちょっと道に迷って電話をしたら、店(家)の前でギャルソンが立って待っていてくれた。中に入って少し進むと、左手にバーカウンターのある10畳ほどの部屋。暖炉や猫足のヨーロピアン・ソファーが置かれていて、食前酒や食後のシガーを楽しんだりウェイティング・ルームとして使われている。ダイニングに案内されると、中庭が見えるような配置。まだ寒いし、夜なので中庭の様子がわからなくて残念。
料理は、季節のコースをお願いした。予想外にも、パンがとても美味しい。
 
 ・向付
 ・白アスパラガスとそのクーリー 
  オマール海老、比内地鶏のゼリー寄せ、サラダ仕立て
 ・北海道産帆立貝のレタス包み、蒸気蒸し
  アーティチョークのピューレ詰め 雲丹とキャヴィア添え
 ・ハンガリー産フォアグラの柔らかなダリオル コンソメスープ仕立て
  フレッシュモリーユ茸入り
 ・萩直送 天然真鯛のクロカント 春キャベツのリゾット添え
  貝類の軽いクリームと共に
 ・お口直しのシャーベット
 ・仔羊背肉のロースト 香草風味 モー産マスタード入りジュ
  新野菜添え
 ・本日のデザート
 ・珈琲又は小菓子
 
Suzumeはこれをほぼ完食!最後の小菓子(一口サイズのプティフールがいくつか銀のトレーに載ったもの)だけ残したけど。この食べっぷりの良さに、我ながら惚れぼれ(笑)
連れは「今朝までお腹が痛かった、っていうのはネタ?」と半ば呆れていたけれど、ネタじゃぁありませんっ。本当にこのディナーのためだけに朝も昼も身体をベッドに横たえて安静にして頑張りました!
どれも美味しかったけれど、天然真鯛に添えた「貝類の軽いクリーム」が本当に繊細な舌触りで感激したのと、王道だけど「仔羊背肉のロースト香草風味」が本日のベストメニューです。
視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚の全てに様々な形の幸せが響く、Suzumeには本当に贅沢な1日でした。