続・読書の秋

一日中、泣きっ放し

朝、歯医者に出かけた以外は家に籠って読書。「沈まぬ太陽〈3〉御巣鷹山篇 (新潮文庫)」をひたすら読み続ける。第三巻、手に取るのをためらってきた御巣鷹山の事故を扱った1冊。これを読む。
とにかく涙、涙、涙。情感が少し繊細なSuzumeは、自分のことでは我慢強いのに他人が受ける痛みについては小さなことでもウルウルしてしまいがち。
事故で亡くなった人やご遺族の胸中を思うと涙が止まらなくて、まぶたがボテッと腫れあがるのではないかと思うほど泣いてしまった。この1冊は電車の中では絶対に読めなかったね…。
子供のように泣き疲れて、いつの間にか眠ってしまった午後。夕方、腫れて重いまぶたを開け、勇気を出して某サイトにアクセス。そう、例のボイスレコーダーをネットで公開しているのだ(http://hw001.gate01.com/virtua1994/record.htm)。
今まで、関連の報道番組も週刊誌も直視できなかったけれど、今日は山崎豊子氏の小説に背中を押されて自らアプローチした。
機長は「これはダメかも知れんね」と言った時点で自分の不運を嘆いただろうか。それでも最後の瞬間まで副操縦士を励ましながら指示を出し、助かる可能性を、希望を捨てなかった。そのことが、ボイスレコーダーの生々しい声から伝わってくる。
何百人もの命を、一手に引き受けて航行する機長。
事故は、もちろん操縦する人間の技量によって発生する場合もあるだろうけれど、機体のトラブルが発端になることも多い。機長だけが責を負うのではない、整備の人間もまた何百人もの命を預かっているのだ。
そんなことを止め処なく考え続けた。

不幸中の幸い

Suzumeが飛行機に搭乗した回数は決して多くはない。せいぜい年に1度、どこかに旅行する程度だ。でも油圧機トラブルによって、島に不時着陸したことが1回、成田空港に引き返してしまったことが1回、計2回も不運な目に遭ったことがある。
今回、小説を読んでいてわかったのは、油圧機の故障というのは実は相当ヤバいトラブルだということ。今まで無事に生きてて良かったよ〜!!