気になる結末

朝からそわそわ

どうも落ち着かない。理由その1、同僚がNY転勤、今日が最後の出社日なので、Suzume引継ぎが一通り完了しているかどうか不安。理由その2、昨日までの活発な市況が今日も続くのかどうか。阪神は昨晩、無事に優勝を決めてくれたから、そわそわする理由その3は無くなった(笑)もっとも、優勝しても今は村上ファンドによる上場圧力の行方が気になるけれど。

行定監督が目指す世界とは?

さて、気になる結末といえば。Suzumeは一昨年から昨年にかけて大流行(?)した「世界の中心で愛を叫ぶ」を知らない。いや、もちろんあれだけ騒がれたから話の粗筋は知っているし、ドラマ版も少し見た。でも、小説はTV局で制作をしている友人が「文学作品としては駄作」と言ったから読んでいないし、その限られた情報の範囲で判断する限り、なぜそんなに支持されているのかが理解できなかった。
ここで具体的な疑問を呈するのはやめておくけれども、不治の病とか不可避な残酷な運命とか、そういう「不幸のどん底」みたいな設定で純愛を浮き彫りにする手法は少女マンガ的だな、という感じがする。Suzumeは少女マンガで育ったから、そういうストーリーも決して嫌いじゃないけれど、感情移入しづらい。
とはいえ、何も見ずして意見も言えないから、昨日、TV放映された映画を録画して見た。やっぱりSuzumeの感想は変わらない。森山未来大沢たかお、という配役は、ドラマ版よりは顔の変化に不自然さがないけれど、役者が良くても話自体に違和感がある。この話で伝えたかったメッセージは何だろう?
行定監督の作品は「きょうのできごと」が、ジム・ジャームッシュ的で気に入ったのだけれど、これは自分が期待していた彼のテイストとは違っていた。
今また、三島由紀夫原作「春の雪」を撮ったらしいけれど、どうだろう。かつて娯楽があまり無かった時代には、こういう作品が映画化されれば必ずヒットしただろうけれど。
Suzumeは谷崎潤一郎三島由紀夫が書く耽美的な世界が好きだけれど、それは「小説」という映像無き情報でも、彼らの文章力が十分に叙情的な美しさを想像させる力を持っているからだ。映画としての成否は、やはり映像の美しさ〜叙情的かどうか〜にかかっているという気がする。行定監督が、どういう映像世界を創ったのか楽しみにしている。