シリーズの完結

白線流し〜夢見る頃を過ぎても

白線流し」(公式サイト:http://www.fujitv.co.jp/hakusen/index2.html)がとうとう完結する。約10年をかけて7人を描く、でも誰もがあまり成長しなくてもどかしいドラマだった。園子の煮え切らなさに苛々することも多かったし、まどかが自分勝手で、なぜ慎司は怒らないんだろうと思ったりもした。でも、このドラマの登場人物の心のスピード(の無さ)こそ、もっともリアルなのだと判っていた。だから見続けたのだと思う。
前回のスペシャルが唐突な展開で終わっていたから、きっと次回もあるのだろうとは思っていた。そう思わなければ納得できないような、あまりに不自然な結末だったのだ。次回があるにしても消化不良な思いが(まるで話の途中で電源がブチッと切れてしまったかのよう)残った。
今回、園子達はまだ27歳で、何かを達観するにはまだ若い。10年で成長していないって最初に書いたけれど、自分が27歳で何を考えていたかを思い返せば、こんなものかな、と思う。そういう意味では、まだこのシリーズには続いて欲しいし、彼らの行く末を見続けたい気がするけれど、ここから先の7人の人生は恐らく別々のベクトルに進んで、つながりを描くのは難しいのだろう。Suzumeも学生時代の友人達とつるんでいられたのは20代までだ。30代に入ると、家庭があったり仕事が忙しかったり、それぞれの事情があって容易には連絡を取り合えない。
園子と同じくSuzumeも家族を亡くしているから、迷ったときに「親ともっと話しておけばよかった」と考えても仕方のない過去を悔やむ気持ちがとてもよくわかる。園子が簡単に物事を吹っ切れないことに苛々するのは、実はSuzumeも同じだからなのだ。あ〜ぁ。
スピッツ空も飛べるはず」(音が出ます:http://www.music-eclub.com/musicdata/play/cr.php?id=1275)。Suzumeの学生時代の仲良しは揃って「白線流し」とスピッツの大ファンだったから、3人でカラオケに行くと最後は「空も飛べるはず」の合唱が定番。そんな集まりをしなくなってから2年近くが経とうとしている。連絡もほとんど取り合っていないけれど、でも離れている感じはしない。何かがあればきっとすぐに駆けつけてくれる、そんな信頼感がある。そんなことを考えながら、1人でこの歌を口ずさんでいる。