上質で高級

取材の依頼

大学院の事務所を通じて、とある雑誌から取材依頼が来た。この類の依頼を受けるのは2度目。当然、学生である以前に会社員なので、業務外活動とは言え取材を受ける場合は事前に広報部の了解を取る必要がある。
そのため、メディアの対象マーケット、掲載事項、取材内容を先に確認する。
その中で変わった項目があった。
写真撮影に関し、「できるだけ上質で高級なビジネススーツを着てください」というのだ。確かに女性は「ビジネススーツ」と定義しないと、スーツはスーツでも軽いパーティにも着ていくようなラメ入りとか選んでしまうリスクがある。(実際、Suzumeもラメ入りスーツを何着か持っている)
でも、「上質で高級な」と言われても。
隣席の課長は「とっておきのシャネルのスーツを着ていけば?(←んなもの、持っているわけが無い)」とからかう。
さらに「腕時計やアクセサリーなど、何か高級感のあるワンポイントを何点か用意してください」との指示もある。
これもまた隣席が「クローゼットの奥にしまってあるケリーバッグを持っていけば?(←これも持っているわけがない)」と言う。
仕事着については、チープな印象にならないように気を遣ってはいるけれど、CとかF,G,Hといったマークにつられて買物なんてしないから、シャネルとかエルメスなんて、小物以外に持っていない。
でも、「上質で高級な」というテクスチャは、隣席にはシャネルやエルメスを意味するのかぁ(笑)
こういう何気ない発言で、ある言葉に対して人が抱くイメージが分かるから面白い。
Suzumeが「上質で高級な」と言われて思い浮かべるスーツはアルマーニ。もちろん、持っているわけが無い。何年も前、たまたま入ったアルマーニのお店で見かけた紺色のスーツ。手にとって見たら上着だけで32万円だった…上質で本当に上品で素敵だったけれど、あれを買って着るなんてありえない。
そもそも、そういうテクスチャで「上質で高級」っていう依頼をしているのかな。きっと「キチンと感の漂う」程度の意味で言っているんだと思うんだよねぇ。