パーティの準備

と言っても、飲食の手配や音楽の選曲などではない。幹事は忙しい時間を割いて準備に余念がない。で、Suzume達は仮装して参加しようとしているのだ。それもサンタじゃなくてコスプレとか動物の着ぐるみとか。ハロウィンでもないのに。まったく年甲斐もなく恥ずかしい…というのが一般論。でもSuzumeは若いうちにそういうことをやらされて、あまり苦痛ではなくなってしまった。この麻痺状態、軽くヤバイか!?
最初からそういうことが平気で、自ら楽しめる人もいるけれど、Suzumeはどちらかと言えば「そんなことをやらされるなんて泣いちゃう」と思うタイプだ。
容姿に恵まれず話術にも長けてなくてリーダー格の人望もないから、基本的に大勢の輪の外輪の立場。そういう自分を嫌いではなかったけれど、輪の中心にいつもいるような人種にも憧れていた。そんなコンプレックスの塊だから、「素でもマイナスなのに、さらに自ら汚れ役を引き受けるなんて自虐的すぎてイヤだ」と10代の頃は思ってた。一応、オンナノコだからね。道化役で笑いをとって場を盛り上げるのは瞬間楽しいけれど、憧れのオトコノコがそんな状況をよそに、会場にいる可愛い(←自分を落とすような芸はしない)女性とひたすら話していたりすると、「こんなに身を削ったのに」みたいなブルーな気分になるものね。
そう言えば中学3年の時に好きだったオトコノコは、まさにそんな感じだった。軽口たたきあって喧嘩もたまにするけれど、お互い信頼していて。でも、それはSuzumeが「異性を意識しないで付き合える人間」だったからで、異性としての魅力は皆無。彼は結局、Suzumeの親友M、道化役とは無縁で清純な雰囲気のオンナノコが好きだった。やっぱりオトコノコは、お笑い芸人よりアイドルが好きだものね。わかってはいたけれど、悲しかったなー。
容姿も性格もアイドルの対極にいるSuzumeは、そうやって自分のポジション作りに悩む10代を過ごしてきたけれど、第3の道「ザ・エリート(弁護士や医者、超キャリアウーマン)」にもなれないし、結局は芸人コースを今は歩むのだ(笑)
で、用意した「かぶりもの」とは!?