東京奇譚集

先日、村上春樹の新刊「意味がなければスイングはない」と一緒に、秋に出版されていた「東京奇譚集」も購入した(村上ワールド - SUZUMEの日々Ⅱ)。今は仕事も学業もイッパイイッパイで、本当は読書はNGなのだけれど、村上春樹はSuzumeが好きな数少ない現役作家の一人。大学院の授業で大量に書籍を買っているし、そのうち家の床が歪むのも時間の問題。。。
小説を読んだ感想というのは、生身の自分をさらけ出すようで気恥ずかしく、なかなか他人と語り合うことはできない。もちろん、小説の何を語るかにもよるわけで、表層的な批評ならいくらでも話せるのだけれど。
話す相手によっては、自分の好きな作家を答えることさえも、ためらってしまう。
先日も、ある人が「三島由紀夫の小説はいいよねぇ」と言うので「あ、私も好きです。あと△△とか(←三島を好きな人は△△も好む人ことが多い)」と相槌をうったら「Suzume、そういうヤラシイ本が好きなんだ…」と言われた。その作家の日本語が本当に美しいから…と言いたかったけれど、面倒だから言葉を飲み込んでしまった。
東京奇譚集」の中の一篇「どこであれそれが見つかりそうな場所で」。先日、読んでいるうちに、ポール・オースターの小説(の翻訳本)を読んでいるかのような錯覚に陥った。話の内容は違うけれど、小説のタッチが似ているような。村上春樹は米現代文学の翻訳も手がけているのだから似ていても不思議じゃないけれど。
家族が「その言い方、お父さんにそっくりね」と指摘することにも似ていて、少しホッとして少し笑っちゃう、そんな不思議な気分になった。
あ、ちなみに村上春樹は日本語を英語のように駆使する人。とSuzumeは思う。
意味がなければスイングはない東京奇譚集