思い出の高校野球

ネットで「小沢章一さんがんに死す」という記事のタイトル。これを見て「あ、あの人」と思い当たる人はどのくらいいるのだろう。
Suzumeはまだ小さかったけれど、彼をとてもよく覚えている。高校野球での早稲田実業黄金時代に活躍した名セカンド。1年生の夏からレギュラー入りして、その後はキャプテンも務めた。
当時は、荒木大輔投手がアイドルのように扱われていて、小沢くんはそれほど人気はなかったけれど、とにかく甲子園の中継では毎試合、解説の人が「小沢くんの守備、いいですねー」「小柄だけれど、動きが早くていいですよー」とベタぼめだった。あまりに「小沢くん、小沢くん」とテレビで連呼されていたから、Suzumeにとっては今でも彼は「小沢くん」なのだ。
確か、1年生の夏の甲子園では決勝戦で横浜の愛甲と対戦、愛甲が「優勝するために(甲子園に)来ました」と生意気な発言をして大ブーイング(でもちゃんと優勝したから偉い)。それに反して、荒木は1年生だったことや日本人の判官ひいきの思考にピッタリはまるような端正な顔立ちと裏腹の時折見せるひ弱さが受けて、一躍スーパーアイドルになって。そんなことでも早実は脚光を浴びたような記憶がある。
小沢くんはその後、早稲田大学に進学したものの、すぐに肩を痛めて野球部を辞めたらしい、と噂に聞いて残念に思っていた。
記事によれば、その後は早実のコーチを務めたり、保健体育教諭として千葉英和高校に着任、野球部長を務めた後、監督になったらしい。生涯、野球を愛し続け、後進の育成に力を注いだ彼のストイックな人生。太く短く生きているから、こんなにも早く人生を全うしてしまうのだろうか。
とにかく、今と違って子供の頃は、春休み・夏休みと甲子園中継ばかりを見ていた。決勝戦が終わることは即ち新学期が近いことを意味し、「宿題を早くやらないと!」と焦ったものだ。そんな子供時代、数々の名勝負があったけれど、一選手としてSuzumeが好きだったのは小沢くんと松山商業のショートだった水口くん(水口栄二、現オリックスバッファローのセカンド)。そういえば、2人は年齢は違うけれど、ともに早稲田大学に進学したんだねー。