不動産チラシ

中学生の頃から、新聞の折込み広告で不動産のチラシを眺めるようになった。間取りをみて、あれこれを想像するのが楽しい。中学の頃は一戸建ての物件を眺めては、両親はこの部屋でSuzumeはこっち、窓のそばにベッドを置いて…と実際に間取りに書き込んでみたりした。
大学生になると、ワンルーム物件を見ては「洗練されたインテリアを最小限に配置したシンプルライフ」を思い描いたりして。
独立は思いも寄らない事件から実現して、今や「オシャレじゃないシングルライフ」を送っているのだけれど、幸か不幸か間取りには随分と余裕がある。普通は子供もいる家族が住んでいてもおかしくない広さだ。
人間は広い場所に住むと、どんどん余計なものを増やしてしまうもの。Suzumeもまた例外ではなく、引っ越した当初はガランとしていた部屋があったのに、今では所狭しとガラクタが積んである。一応、大学院を卒業して時間ができるようになったら、全部整理して、バンバン捨てるつもりなんだけどね…(一応って書くところが弱い)。
そうやって少し身軽になって、できれば(少し狭くなってもいいから)今よりも便利な場所に引っ越したいなぁ、と思いながら、最近また不動産物件を眺めるようになってきた。相変わらず広告チラシも見るけれど、最近はネットでも検索したりして、意外と本気(マジ)モード(笑)
実は、職場で隣席の課長がネットで不動産物件をよく眺めていて(でも彼は昨年、新築マンションを購入したばかり)、時折「Suzume、こういうマンションに住めば?」ととんでもなくお高い物件を紹介してくれる。あのね、ウチのお給料でこんな所が買えるわけがないでしょう…と言うと、「一生そこに住むなんて思わなければいいんだよ。何年か住んだら、いい価格で転売して、その資金で別のマンション買えばいいじゃない。」って。
判ります、その理屈。そういうスタイルは採算面でも成立すると思うけれど、数年後に「いい価格で転売」できるのか、そして「次のマンション」が都合よく見つかるのか、将来の不動産市場の予測なんてできないのに、「えいっ」と飛び込む勇気。地道志向のSuzumeには、そういう投機的選択ができないんですよね。
ただ、今後の生活設計が立てられずにいるのがSuzumeの弱点。すなわち、先の人生は1人なのか2人なのか、ということだけれど。そういう観点では、今「一生の買物」感覚で選ぶよりも、彼の言う通り「数年住む」スタンスの方がいいのかも知れない。
とまぁ、そんな会話をしながらも、彼の戦略(なのか?)にまんまと嵌められて、マンション広告ばかりが気になってきている今日この頃。