自由とイビツ

朝起きて定刻までに出社して、多少の残業をして帰宅して就寝する。そんな1日でも人それぞれの生活パターンがある。例えばSuzumeの平日の朝。一度で起きられず二度寝をしてしまう。起床後は必ずお風呂に入り(シャワーのときもある)、ニュースはNHK総合をつける(CMを見たくないから)。朝食はシリアルかパンで、紅茶を飲む(休日はコーヒー)。夜は、食事しながらテレビを見るのもokだし、お風呂に浸かりながら本を読むこともある。そういうマナーにはあまりうるさくない。新聞はリビングで床にペタッと座り込んで読む。ネットをダラダラと見ている時は大抵、烏龍茶を飲んでいる。ブログを書きながらPCで音楽を再生していることが多い。布団に入ってからも雑誌を読むから、ベッドの横に雑誌が積まれていく。そして、真っ暗な部屋で眠ることができない。
どれも他愛のないことばかりで、どれも独りで生活する中で身についた習性だけれど、怖いのはいつの間にか「手順」のようになってしまっているということだ。ある日、誰かと共同生活をすることになって、その中の1つでも省かなければならなくなった時に、そのことで落ち着かなくなったりストレスになったりしないだろうか、と考えてしまう。独りというのは本当に気楽で、部屋の中で「無理をする」ということが全くない。気分が悪ければ黙って寝てしまえばいいし、誰かに「ねぇ、ねぇ」と話しかけられて返事をしなければならない、ということもない。お風呂に入る時間も自由だし、音楽を聴くのも(隣家に聞こえるような音量でなければ)自由。もちろん、無償に人恋しくなったり、苦しいときに頼れる人がいない不安を抱えることもあるけれど、そういう孤独や寂しさと引き換えに大きな自由を手に入れているのだと思う。
独り暮らしを始めた頃は、寂しくて寂しくて。テレビを見ていて「はははっ!ねぇ、テレビで面白いことやってるよ!」って大きな声で言っちゃってから「あ、そうだ、もう誰もいないんだった…」と気づいて、急に泣いたりした。それが今や「誰かと暮らす場合でも、一人の時間と空間がなかったらイヤ!」なんて考えているものね。
「独り暮らしが長くなると、何となく人間がイビツになっていく気がしない?」
そんなことを、友人と話したことがあった。友人はSuzumeよりも独り暮らし歴が長いから、この論理だとSuzumeよりもイビツである可能性が高い(笑)いや、確実にSuzumeよりも歪んでいると思う。そしたら「自分でイビツだ、と自覚しているうちはいいんだろうけれど、僕は『これでいいや』って思うところまで行っちゃっているかも知れない。Suzumeの言いたい事は、すごくよくわかる。」との返事。そうなのかなー、わかっているのかなぁ。Suzumeは自分がどんどんイビツになっていくことが怖いと思っているのに。怖いから、軌道修正できなくなってしまう前に、今の生活から脱出したいと思っているのになぁ。やっぱり、全然わかっていないんじゃないでしょうか。