歌舞伎座・昼の部

suzume-smile2007-02-04

二月大歌舞伎、昼の部へ。今月は歌舞伎三代名作狂言の一つ、「仮名手本忠臣蔵」。
日本人なら赤穂浪士の討ち入り事件は誰でも知っている(って決め付けすぎ!?)。Suzumeは、年末のベートーベン・第九と同じくらい、冬の風物詩的のように日本で浸透していると思っているんだけど。だって、毎年12月14日になると、ニュースで「○○年前の今日は、赤穂浪士の討ち入りがあった日です」みたいな紹介があるもの。その事件をパロディ的にアレンジして歌舞伎の演目として登場したのはまだ江戸時代真っ只中。大衆向けの芝居として大当たりしたのは理解できるけれども、考えてみれば当時の幕府も結構寛大だったんだなぁと思う。いくら、横恋慕というゴシップを発端とする事件に置き換えたとはいえ、「松の廊下」での浅野内匠頭吉良上野介という大名と高家による喧嘩と仇討ちを美談として取り入れているのは明らかなのにね。ちなみに、今では「忠臣蔵」=「赤穂浪士の討ち入り事件」だけれど、本当は「忠臣蔵」は歌舞伎の作品名。歌舞伎が大当たりして、作品名がそのままネタ元の事件を指すようになった、というわけ。
大石内蔵助ならぬ大星由良之助を、昼の部では松本幸四郎が、夜の部では弟の中村吉右衛門が演じる。Suzume、昔から吉右衛門が大好きなの☆ 歌舞伎の舞台も好きだけれど、鬼平犯科帳の舞台も観にいっちゃったくらい(笑)さらに、今月は人間国宝尾上菊五郎中村富十郎、芸達者な市川左團次も登場するなど豪勢な布陣。
筋書きまで書くと長くなるから避けるけれど、舞台は素晴らしかったです。気持ちがすっかり「忠臣蔵」モードになって、猛烈に夜の部も観たくなってしまった(今月は、昼と夜の通し上演なのだ!!)。今週、久しぶりに平日にお休みが取れそうだから、その日にチケットを狙うぞぉ。
ちなみに、塩治判官(主君)が切腹する際、馳せ参じた大星由良之助(国家老)に「無念」と伝える四段目「扇ヶ谷塩治判官切腹の場」。これが昼の部のクライマックスなのに、Suzumeの隣に座っていた母娘連れの娘はグゥグゥ寝ていた。。。イヤホンガイドを利用していないから「何度も忠臣蔵を観ているのかなぁ(色んなお約束事はすべて承知)」と思ったらド素人だったのね。「かぶりつき」なら別だけれど、イヤホンガイドは借りた方がいいです、絶対に。650円を惜しんで芝居の最大の見せ場を逃すなんて意味がない。