Destiny

最後に会った日からXX年も経っていた、でもきっといつかバッタリ再会するのかもしれない、と心のどこか隅っこでずっと思っていた。そんな人にとうとう会ってしまいました。
本当に自分でも不思議なのだけれど、大勢の人がいる広い場所で、そこだけが初めからSuzumeの目にとまるのが決まっていたかのようにスッと視界に入ってきました。XX年ぶりに見かけたその人の姿形は、最後に会った日から意外なほど変わらなくて、でも何というか一瞬で感じた空気は昔と違って硬くて、そのこともSuzumeを少し怯ませたのかもしれません。とにかく、Suzumeは次の瞬間、パッと視線を外して、気づかなかった振りをして彼の前を通り過ぎてしまいました。そうするしかないと思ったのです。今日のSuzumeは仕事で疲れ果てていた上に、夜遅くになってから運悪く職場の人に仕事のことで1時間近く相談を受けて(金曜日の夜10:30過ぎにです…)気がつけば終電近くなってしまい、化粧直しをする時間も惜しんで慌てて帰る途中でした。服装も化粧も顔色も疲れきっている、そんな自分を見られたくなかった。
「どうしてなの 今日に限って安いサンダルはいてた」
ユーミンの”Destiny”の中に出てくるフレーズ。そんな感じでした。
そして今、声をかけなかったことを後悔し始めています。”何故、普通に話しかけなかったのだろう。もしかしたら二度と会えないかもしれないのに”と思ったり、”いや、二度と会えないかもしれないって考えること自体、おかしい。別に会えなくたっていいはずなのに”とか、しょうもないことが頭の中をグルグル巡っています。